特攻の島

特攻の島 1 (芳文社コミックス)

特攻の島 1 (芳文社コミックス)

本日はこれ
この島は近県に住んでいたことがあるので一回尋ねたことがある。
あまりこのテの施設は尋ねて楽しいものではないが、歴史を知りその時の人類の考え方、敵味方の考え方をトレースして、シミュレーションして、想像して、自分としては不謹慎だとは思っているが、一方楽しんでいるところがある。
その場にいたら何をするかというシミュレーションはいつでもしておくと、いざというとき慌てずに済む。だが、気持ちに余裕のない時に行ってはいけない。中立の考え方が出来なければ、その思考の圧力が大きいほど、そこに取り込まれて行ってしまうからだ。 読んで感じたのは主人公が取り込まれていく様を描写することによって、傍観者たる作者の考え方を主張したいということである。
作者 佐藤秀峰は「海猿」「ブラックジャックによろしく」で名を馳せているが編集者との確執(言葉がうまくみつからん)でもいろいろ話がある人である。 確かに現在の出版界は出版会社が権益を守らんがために、いろいろやっていることが紙媒体の衰退によって、あぶり出されている。かく言うこのブログも、自分の主張が勝手に言えることによってうまくすれば、紙媒体よりも数百倍の人に読んでいただけるものとなっている。まんが業界は他の著作物よりも下に見られてきた歴史があるので、搾取もいろいろされてきた。 が、今後は文章よりも伝わりやすい媒体として残っていくことはエジプトの遺跡を見ても明らかであろう。もう少し読者も考えて行動しないといけない時期に来ていると思う。
作品に話を戻そう。まだ、1巻しか読んでいないが今後の話の展開によっては、「はだしのゲン」を超えられる作品となることは請け合いである。 「はだしのゲン」は戦後同じような体験をした人に支えられてきたが、ここまでの展開を読んで同じ体験をしていない人も取り込めるものとなっている。作者には、一方的な解釈だけではなく敵国である米国の見解も入れ込んで見方をニュートラルにして欲しいと願う。
堅くなってしまったがオススメには間違いない。